MUSENKI レビュアーズ倶楽部!
アマチュア無線・広帯域受信機の専門店CQオームの商品評価ブログです。各種無線機・受信機・関連商品のレビュー(評価・感想・使用感など)大集合。
○ FT-817 長野県人
2006年03月28日 (火) | 編集 |
NDになる直前に817を買いました。

私なりの感想を。
この機械ですが、はっきり言って初心者には向きません。
多機能でコンパクトですので、その分違うところで無理がたたっているところがあるように思えます。

1.出力5Wmax
5Wの出力で充分な電波を出すには効率の良いアンテナが必要になります。
ですが、HFで効率の良いアンテナとなりますと現時点ではダイポールアンテナや八木アンテナなど大きなものになります。
当然高くつきます。
これらのアンテナ以外で安くあげるとなると釣り竿アンテナあたりが良さそうですが、817にはアンテナチューナーがありません。
アンテナ長をカットアンドトライで調整するのは現実的ではないので外部のチューナーを用意するか自作する必要があります。
CQ出版社から出ている書物にはアンテナチューナの自作について書いているものもあり比較的簡単に出来そうにみえますが、やはり初心者には敷居が高いです。
外付けだと、手動式でも1万円以上、オートだと2万5千円以上します。
HF、特に7MHz〜28MHzに出てみたいというのでしたらばIC−703の方が良いと思います。

また、50MHz〜433MHzのV/Uですが、1エリアのような運用局の多い地域ならいざ知らず、閑散地域ではよっぽど利得の高いアンテナを用意しないと5Wではろくすっぽに交信出来ません。
確かに2000m級の山岳で八木アンテナを使えば200km以上の交信も出来ましたが、その様な好条件はなかなか巡り合えません。
自宅の屋根にアンテナをあげるとなるとGPがいいところではないでしょうか。
そうなりますとやはり20Wくらいは欲しいところです。
そうなりますと817では無くても144/433で20W出せる機種は幾らでもあります。
特にFMに限定すればそちらの方が価格的に有利です。

2.自作と工夫の楽しめるという言葉の裏返し
雑誌やWEBでよく「必要充分な出力」とか「簡単な設備で海外と交信」というような情報を見かけますが、あれはアンテナや電波などの電磁波工学にある程度通じている人達がCWに関して言えることだと思います。
工夫をすることが出来ない人にはSSBはかなり難易度が高いです。
オプションのフィルタを入れれば改善されると思うのですが、フィルタは高いですし、運用も慣れが必要です。
確かにCWはよく聞こえます。しかしCWがよく聞こえるのはCWという電波のモードの性質であり817固有の特性ではありません。
要するに他のリグでもCWはよく聞こえるのです。

また、7MHzでは5WのSSBではよっぽどいいアンテナを用意するかひたすらワッチしてタイミングを見はからわない限り交信は難しいです。
高出力至上主義を肯定する訳ではありませんが、やはり効率の良いアンテナが用意出来ない以上はある程度の出力が必要と思います。
運用場所に制限のある環境下において、時間の取れない人には良い指導者がいないと817を使った試行錯誤はただただくたびれるだけです。
最初は多少の投資をしてもDSPを搭載したリグやATUなどで確実に楽しめる方が健全だと思います。
そして無線に親しんでいくにつれて色々な実験を試み、その過程で817を買うのが良いように思えます。
古くからのアマチュア無線家からは異議が出そうですが、私はこれを理想と現実の問題と捕らえています。
技術の進歩を利用してまずは馴染み、その後から興味とともに理解が追いつくというのも悪く無いと思います。

最後に
私は817で結構遊んでいますが、沢山の交信をした訳ではありません。
アンテナを試行錯誤したりしている時間の方が圧倒的に多いです。
でもあれやこれや考えるのが楽しく、チョットでも改善すると嬉しいです。
そういう趣味のお供に817はピッタリです。
それと、山や海などレジャーに連れていくのにも便利ですし、受信機の一種として、FM・TV放送の音声を聞く目的にも使えます。
オールマイティスーパーマシンでは無いので割り切って使ってます。

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